世界にイロを
〜〜♪

「…どうかな?これで曲はお終いだけど…」

ソワソワしながらコウが聞く。

「すごかった。コウ、才能あるね」

「‼︎‼︎嬉しい、つぼみ、ありがと」

「っ‼︎」

ありがと、なんて初めて言われた言葉。照れくさい。

「曲のイメージって何?」

「うーん…特に無いよ。つぼみの自由に」

「作詞、する。」

「待ってるね」

「紙」

「え、今?」

「うん」

「ちょっと待っててね」

コウが渡してくれたのは一冊のノート。

そこに歌詞を書き込んでいく。

「…できた」

「わぁ、早いね‼︎そうだ、つぼみそろそろ朝ご飯だよ。僕お腹空いた」

コウにそう言われ時計を見ると8時。

「あ、ホントだ。すぐ作る‼︎」

食パンを二枚トースターに入れ、その間にスクランブルエッグを作る。

誰かのために作るなんて初めてで緊張する。

美味しいかな、不味くないかな?

…コウの髪はレモンイエローだった。レモンイエローの髪に、橙色の瞳。

すごく、コウに合ってる。

「コウ、できたよ」

「んー…」

「コウ〜?」

「…」

「コ〜ウ〜?」

「うーん…」

「コーウーくん」

「んー…」

近くに行って呼んでも上の空。ノートをただ見つめている。

「コウ‼︎」

「うひゃぁ‼︎はっ、はいなんでしょうつぼみ様…」

耳元で叫ぶとやっと返事をした。

耳を抑えて顔を真っ赤にしながら私の言葉を待っている。

「朝ご飯出来たよ」

「あ、は、はい…」

ビックリしたぁ…なんて言いながらコウは席に着く。

「あ、そーだつぼみが書いてくれた歌詞見たんだけど…」

「あ、どうだったかな…」

「うん、凄い…いただきまーす。

凄い…うわっ、美味しい‼︎つぼみ美味しい‼︎」

「よかった。」

独りで食べるご飯より美味しく感じる。

「そうそう、歌詞なんだけふぉ、しゅごいよかっふぁよ」

「最後らへん何言ってるかわかんない。飲み込んでから喋って」

「ふぁーい。…むぐむぐ、ゴク。

うん、歌詞なんだけどすごいよかったよ」

「ホント⁈よかった…」

「僕ピアノ弾けるからご飯食べたら早速歌おうよ‼︎」

「うん。楽しみだね」

「うん。僕も…たにょひみだなぁ。

しょれにひてもつゅびょみはほんとぉりょおりじょうしゅだにぇ」

「…」

「ぼきゅりょおりにぐぁてだきゃ「ゴメン初めっから言って」

「ぼきゅ「飲み込んでから喋ろっか」

「ゴク。

僕料理「その前も言ってもらえるかな」

「僕も楽しみだなぁ。それにしてもつぼみはホント料理上手だねぇ。僕料理苦手だから憧れるなぁ」

「ありがとう」

「うん。やっぱつぼみは笑顔が似合うねぇ」

「え?」

「可愛痛ぁ⁉︎」

机の下でコウの足を蹴る。

「うぅ…痛いぃぃ…

ごちそうさまぁ!美味しかったよ、お昼ご飯も楽しみだねっ」

「お粗末様」

昼も頑張ろ。

「よし、何処でする?」

「遅い時間じゃなければ2階にあるピアノ室でできるし、夜なら地下の防音室でできるよ」

「地下⁈防音室⁈

…無駄に広いわけじゃ無いんだね」

「コウが来るまでは無駄に広かったけどね」

「もう、無駄じゃないでしょ?

さぁ、始めよっか!」

「うん。」
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