星に願いを
「アキ!」
クラスの皆に囲まれていた俺は、空良に呼ばれ嬉しい気持ちが込み上げてきた。
「予定より早くない?」
「おー。早く学校来たくて。それに急に行って空良をびっくりさせたくて」
ははっと笑うと空良は少し呆れたような顔をした。
「お前のせいで今日、遅刻したんだからな!今日からお世話になるからっておじさんから連絡来て、俺の母さんとお前のこと少し話してたら、お前の母さんが今から来るからって連絡来て、とりあえず俺は遅刻するから学校来たけどさ」
ぶつぶつと文句を言う空良に俺は可笑しくなって吹き出してしまった。
「ははっ。悪かったって!そんなことになってると知らなくって」
「来るなら来るって言ってくれよな。それより咲希は分かった?」
「おー。同じクラスやったんやな」
そう言うと空良は咲希を呼んだ。
咲希は昔と全然変わっていなかった。
この時の俺は自分が人を、咲希を好きになるとは思ってもいなかった。
俺には人を好きになる資格はないのに…。