星に願いを



「荷物、いつ送られてくるんだ?」


空良の家でお世話になることになっていたのに、俺の荷物はまだ届いていなかった。



「んー。今週中には届くと思うけど。それまでお前に服借りるわ」


「いいけどさー。これ何だよ?」


実家から送られてきた段ボールの中身を気にする空良。



「えっ?あー本だよ。本。俺、読書が趣味なの」


「ふーん」


興味がないのか空良はそれ以上突っ込んでこなかった。



「それよりさ、お前の服大きくないか?」


ズボンの裾を少し引きずる俺の足元に目を向けると空良は笑った。



「お前が小さいんだよ。頑張って牛乳飲んで、体鍛えろ」


ははっとバカにしたように笑う空良に俺はムッとした。



「仕方ねぇだろ。運動出来ねぇんだから。体鍛えられないの」


「とりあえず沢山ご飯を食べなさい」


そう言うと空良は自分の部屋に戻って行った。



なんだよ、腹立つなーと思いながら送られてきた本を本棚に並べていく。


俺は細いのが少しコンプレックスだった。



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