星に願いを
「なぁ咲希はさ、将来したいこととかある?」
「え?何急に!?」
突然、話題を変える俺に咲希は慌てたような素振りをする。
「したいこと…?んー…」
今までちゃんと考えたことがなかったのか、困ったように悩み始める咲希を黙って見つめる。
普通、そんなしたいこと真剣に考えたことないよな…。
つーかこれからしたいことを考える時間なんて、咲希にはたっぷりある。
こんな俺の質問なんて困らせるだけだ。
「ごめん、何もない」
クスッと笑って咲希を見ると咲希はホッとしたような複雑な顔をした。
「…っ」
咲希が何か俺に聞こうと口を開きかけた時、一人の迷子の男の子が現れた。
咲希が慌てて男の子に近寄っていくのをぼーっと見つめていた。
すげぇ焦った顔してる…と面白そうに横目で見ながら、近くにあった自動販売機でジュースを購入すると、泣きじゃくる男の子にジュースを渡した。