星に願いを
流星群



ぺたぺたと薄暗い廊下をスリッパの音が響く。


何度も病院で夜を過ごしているのに、この不気味さは慣れない。



「…お、お化け出ないよね?」


ビクビクしながら目的の場所まで足を進める。




「あ、明るい」


光が漏れる部屋を見つけ、少しホッとする。



「なんで…」


「…先生っ、もう…」


その部屋からは悲痛な声が漏れて聞こえてきた。



何話してるんだろうと、興味が湧きドアを少しだけ開けて中を覗いた。





「………えっ」


ハルくん?



俯いて悔しそうに涙を流すハルくんの姿が目に飛び込んできた。



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