星に願いを
「いつ買ったの?」
「さっき。ほら泣き止め。男だろ?」
適当にあやしていると、咲希は優しく微笑みながら言った。
「アキっていいお父さんになりそうだね」って。
「…………」
何て返せばいいか分からず、俺は黙って俯いた。
俺は、大人になれないかもしれないから…。
その現実が重くのしかかってきた。
男の子の母親が見つかり、咲希とまた二人になるが先程とは違って、重たい空気に包まれていた。
もちろん俺が黙ったままだからって分かってる。
なれないかもしれないじゃない。
俺は…大人になれない。
好きな人と、咲希と一緒にいられない…。
「アキ?」
不安そうに顔を覗いてきた咲希の腕を引っ張り、気付けば抱き締めていた。