星に願いを
季節は移り変わり桜の舞う季節になった。
あれからハルくんは一度も会いに来なかった。
僕も入退院を繰り返していたから、病院以外にハルくんと会う手段がなかった。
だからちょっと今、驚いている。
「元気にしてたか?」
見覚えのある笑顔が学校から帰ってきた僕を待ち構えていた。
「…ハルくん!?なんで?なんで家にいるの?」
驚いて背負っていたランドセルをほってハルくんの元に駆け寄る。
「ごめんな!びっくりさせて」
ははっ~と申し訳なさそうに笑うと、「ごめんな。約束破って」と言った。
「ハルくん、ごめんね。ちょっと買い物行ってくるから、太陽と待っててもらえる?」
「あっ、はい!」
ハルくんのお茶菓子を買いに行こうとお母さんは慌てて近くのデパートに向かった。