星に願いを
「知華ちゃん!知華ちゃんも勉強しにきたの?」
「うん。あれ?お友達?」
夏休みなのに高校の制服を着ている知華ちゃんは空良に視線を向けた。
「高峰空良です」
どうも…と軽く頭を下げる空良は、誰?と目で聞いてきた。
「ハルくんの彼女の知華ちゃん!」
「えぇ!ハルくん彼女いるの!?」
すごく驚いた声を出す空良は、恐らくここが図書館だということを忘れているに違いない。
「そんな驚かなくても」
ハハッと笑う知華ちゃんに、「ハルくんは?」と尋ねると知華ちゃんは困ったように笑った。
「んー…今日は一緒じゃないねん。ごめんな」
そう言うと知華ちゃんは少し離れた席に座って勉強し始めた。