星に願いを
「太陽どこ行っててん?」
「…ハルくんこそ、どうしてここにいるの?」
泣いたのがバレないように顔を洗って来た。
だから泣いたのは分からないはず。
病室に戻ると父さんは帰ったのか、ハルくんだけが残っていた。
「あ、お見舞い…。太陽、ごめん。俺のせいで」
申し訳ない!とハルくんは頭を下げた。
「ハルくんのせいじゃないよ!だから謝らなくていいよ!いつものことじゃん!それよりハルくんだよ!さっき病棟行ったら退院したって…」
勢いよく話す俺にハルくんは微笑した。
「うん…退院したよ。この前は太陽に癌になったけど、治して元気になったって伝えに行ったんや。でも、話終える前にこんなことになって…」
そう言ってまた目を伏せた。
「本間にごめん。太陽に病気克服したって姿見せたくて…」
「……俺のために?」
「…えっ?」