星に願いを



「あれ?立石来てたんや」


ガラッと保健室の扉が開けられた方へ視線を向けると、澤田くんが足から血を流して立っていた。



「怪我したの?そこ座って」


保険医が澤田くんの手当てをするのを隣から覗く。


結構な出血の量だった。


どんな転け方をしたんだろうか。



「見学だとまた煩く言われるから、ここで課題してるんだよ」


「ふーん。真面目やな」


額から流れ出る 汗を拭いながら澤田くんはふぅーと息をついた。



「ここ涼しいなー。外は暑すぎる。これから100メートル走や」


「…走れるの?怪我酷いけど…」


「うーん…まぁ走らな誰も走る人いいひんしな」


「ふーん…」



この時、俺は何もこの後に起こることを想像もしていなかった。




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