星に願いを
外に出るともうすくで季節は秋になるというのに、少し暑さが残っていた。
「お、立石見学か?そこの見学者席から見ていたらいいよ」
担任の先生は見学に来たのだと勘違いし、嬉しそうに案内した。
「いえ、ここから見てます」
「そうか?体調悪くなる前に言うんだからな 」
「……はい」
先生や保護者のいるテントから運動場を見渡すと、もうすでに100メートル走が始まっていた。
「立石、そろそろ行っとけよ」
ニヤニヤと嬉しそうに嫌な笑みを浮かべる男子達に、「分かってるよ」とキレ気味に返事をし準備して向かう。