星に願いを



トントン…とドアがノックされた。


「誰かお見舞いかな?帰るわ」


荷物をまとめ部屋を後にしたハルくんと入れ替わりに、澤田くんが入ってきた。



「…よお。大丈夫?」


「うん…大丈夫。心配しないで。そこ座って」


「うん。あ、これお見舞いに…持って行けって」


そう言って澤田くんはケーキを持って来てくれた。


入院してから初めて家族やハルくん以外にお見舞いに来てくれた。



「…食べられる?」


「あー……えっと、ごめん…」


「そうなんや…。あ、じゃあ親にあげて」


「うん。ありがとう」


ハハッとお互いぎこちなく笑いあう。



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