星に願いを
「空良~」
「どうしたの?」
こっちに来てから3年が経った。
引っ越す前に近所に住んでいた空良の親戚がここの病院の心臓病に詳しい医者だかなんかで、俺はこの病院を紹介されてこっちに引っ越してきた。
その繋がりからか引っ越してきてからも空良はたまに俺のところにお見舞いがてら遊びに来てくれた。
「今回はいつまで入院なのかな?」
「さぁ?」
病室の外からは蝉が飽きることなく鳴き続けている。
3年生になった今でも僕はまだ入退院を繰り返していた。
夏休みの宿題を空良に手伝ってもらうのが毎年の恒例となっていた。
学校になかなか行けない僕に勉強を教えてくれていたのだ。
この頃の僕は心臓が悪いことをちゃんと理解していた。
何度か無茶して発作を起こしたことがあるからだ。
この繰り返される入退院もその心臓を治すためだと思っていた。