星に願いを



しばらくして退院した俺は少し緊張しながら学校に登校した。


病気のことが皆に知られてるんだと思うと、ちょっと憂鬱な気分になった。



教室に入るなり俺の姿を見た瞬間、騒がしかった教室が静まり返った。


だから嫌だったんだ。


病気だと分かるとどう対応していいか分からない顔をされる。



「立石!おはよう」


そんな空気を破るかの様にニコニコと朝からテンションの高い澤田くんが近付いてきた。



「…おはよ」


「今日から学校やってんな!授業分かる?お見舞いの時にノート見せたけど、分からんかったら聞いてな」


「…ありがと」


皆がチラチラと澤田くんとのやり取りを見つめている。


「澤田くん、悪いけど一人にして」


「えっ…?」


一瞬ひきつった顔をした澤田くんを無視して俺は席についた。



「何あの態度?」


「澤田が話かけてんのに」


コソコソと俺の悪口を言うクラスメイト達を無視して、俺は机に突っ伏した。



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