星に願いを
中学三年、受験のシーズンになっていた。
たまに雪が舞ったりはしたが、積もることはなかった。
「…えっ?引っ越し?」
「うん。高校から北海道行くことになって、向こうの学校受けることになってん」
「なんで?親の転勤?」
「そう。元々、父さんの仕事が転勤多くてさ」
引っ越しなんて慣れたように話す澤田くんに俺は驚きの声をあげていた。
「今からでも間に合うの?」
「まぁ一応、受けられるとこ受けるよ」
そう言って澤田くんは笑った。
相変わらず学校以外でしか会話はしないが、友達関係は続いていた。
クラスは2、3年と離れたが、放課後は誰もいない教室や公園で話したりしていた。