星に願いを
別れ
桜が舞う季節がまたやってきた。
新しい制服に身を包み、残りわずかな人生が新たにスタートする。
「入学おめでとう!太陽が後輩になるとは思わんかったわ」
ニコニコと嬉しそうに笑うハルくんと知華ちゃん。
それに小さな男の子。
海翔(カイト)くん。
「海翔くん、大きくなったね。て言うか、何でハルくんが入学式来てんの?」
「なんやねん。太陽が高校生になれて嬉しいんやろ?喜べよ」
「あー…ありがとう」
「本間なんやねん!その面倒臭そうな感じわ!ええか!高校は関西弁話すんやで!あんだけ春休みに教えたんやからな!」
俺よりテンションの高いハルくんに知華ちゃんは呆れたように笑った。
「太陽くん、入学おめでとう。楽しい高校生活になるといいね」
「うん。ハルくんと約束したから」
そう言って海翔くんをあやすハルくんに視線を向ける。
「そっか…。あ、そろそろ時間やね。じゃあ私達ももう行くね」
入学式に向かう俺とハルくん達は入学式の様子を見に来ただけだと帰っていった。