星に願いを



「ハルくん。頼みがあるんだけどさ…」


夕暮れで街がオレンジ色に染まり始める中、病院からお互いの家へと足を進める。



「ん?」


「関西弁教えてくれないかな?」


「なんでや急に!前から澤田くんにも関西弁話せって散々言われてたのに話さへんかったやん!」


パチパチと瞬きをし驚きを表現するハルくんに少し笑ってしまった。



「なんとなく。高校生活は頑張ろうかなって…」


「ふーん。太陽の関西弁って想像つかへんわ。でも関西弁話す必要あるんか?」


「楽しそうだなって。ハルくんの話し方聞いてたら明るく聞こえるから」


「そうかー?まぁ何でもいいけど、高校入学するまでに完璧にしよか!」


そう言ってハルくんは楽しそうに笑った。



関西弁だと病気のことで暗くなっても誤魔化せるかと思った。


ハルくんみたいに明るく振る舞えるかと思った―…



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