星に願いを



ハルくんが退院して半月後、ハルくんはまた入院することになった。



「結局、また入院生活や。折角、退院出来たのにな」


そう言って元気に笑うハルくんだけど、すごく無理しているのが分かった。


呼吸だって辛いはずだ。


酸素を人工的に送ってもらわないと息が出来ない状態だった。



「太陽…。もう見舞い来んでもいいよ」


「なんで?会いに来るよ。明日も明後日も会いに来るよ」


一瞬、ドキッとした。



「ははっ…彼女かよ…でも辛いやろ…?」


可笑しそうに笑うと申し訳なさそうな表情を浮かべ言葉を続ける。



「太陽は分かってるやろうから言う。俺はもう長くない。俺が弱っていく姿見んの辛いやろ?」


「そんなこと…っ」


"そんなことない"と言えなかった。


思わず言葉が喉に詰まる。



本当は少し怖かった。


いつか俺もこうなるんだろうかと。



いや、違う―…



俺は突然死ぬ可能性が高いんだ―…



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