星に願いを
「太陽…俺さ、本間は死ぬのが恐い」
病室は日が暮れ暗くなり始めている。
時計の動く音だけが響いている。
「父さんもこんな気持ちやったんかなって今なら分かる気がするねん。俺や母さんを残して死ぬのって不安やったやろうなって」
「知華ちゃんや海翔くんを残して死ぬのが心配なら死ぬなよ!生きてよ!」
「分かってる!俺だって!俺だって…そうしたい。でも…っ」
一瞬声を張り上げるが、悔しそうにハルくんは声を押し殺して涙を流した。
ハルくんの気持ちが痛いほど伝わってくる。
でもどうしたらいいか分からなかった。
何て俺は無力なんだろうか…。
「死にたくねぇよ…」
ハルくんは何度もそう呟いていた。
知華ちゃんに弱い姿を見せられなかったんだと思う。
ハルくんは誰にも言えない本音を俺に言ってくれたんだ。
「ハルくん。大丈夫だよ。だって知華ちゃん逞しいんでしょ?」
そう言って笑いかけるとハルくんは「あぁ」と目を潤ませて優しく笑った。