星に願いを
余命
季節は夏を迎えようとしているのか、雨が降り梅雨に入った。
俺は高校2年生になった。
「空良。お前彼女はいいひんの?」
「はっ?何だよ急に」
「休みの度に俺に会いに来てさ。誰も相手にしてくれへんのか?」
土日祝と連休が続いたり、何かあると空良はお見舞いや遊びによく来てくれていたが、ふと疑問に思った。
「うるせーな。アキの相手してたら女の子のこと考える余裕がないんだよ」
「なっ!俺の相手って…。お前、俺のこと好きなんか?!」
引いたような視線を向けると空良は呆れたような視線を向けていた。
「お前バカか。何でそうなるんだよ」
「冗談やん!通じひんなー」
「ったく…。なぁ、そう言うのもハルくんが教えてくれたの?」
「…おぅ。面白いやろ?」
「…あぁ」
明るくなったと空良は嬉しそうに微笑んだ。
「ハルくんのように明るく生きないといけないから」
「うん」
そうこの時までは思っていた。
高校生活では実際、関西弁を話すことはなかった。
と言うより、誰とも友達になる気はなかった。
俺のことまで病気のハルくんに心配かけないようにと、明るく振る舞う為だけに関西弁を話すようになっただけだった。
本当は俺には自分の未来が見えなかった。
ただハルくんが頑張って生きようとしているのを見て、俺もハルくんに負けないよう生きる意味を探していた。
そんな生きる意味を持たない俺に罰が下ったのかもしれない。