星に願いを
「アキ、あんま無茶すんなよ」
「ごめん」
空良はホッとした様子で小さく微笑んだ。
「わざわざ悪いな。夏休みなのにさ」
「いいよ。元々こっち来るつもりだったし」
入院してそのまま夏休みに突入してしまい、空良はこっちに遊びに来ることになっていたが、お見舞いという形になってしまった。
「何か知華ちゃんに悪いことしちゃったな」
「目の前で倒れたから?」
「うん…。びっくりさせたよな…。海翔くん助けたはずが俺が倒れるとかダサぇよな」
あはは…と情けなく笑う。
どうしてこう俺は迷惑しかかけられないんだろうか。
「ダサくねぇよ。海翔くんのこと助けたんだから。それよりおばさんとおじさんにあんま心配かけんなよ」
「あぁ。もうそれならすげー怒られた」
ははっと苦笑し静かに言葉を続ける。
「……母さんはさ、いつも無茶しないでって泣くんだよ。でも父さんは…」
少し沈黙し顔を下に向けると、「おじさんは?」と空良の声が聞こえる。
「父さんは…辛そうに笑うんだ」
なんとも言えない辛そうな表情を父さんは浮かべる。
母さんみたいに泣き乱れるんじゃなくて、ただ父さんは悔しそうな顔をする。