星に願いを
病院の待ち合いにあるテレビで、今夜流星群が見られるという内容のニュースが流れてるのに気付き思わず足を止める。
「流星群かー…懐かしいな」
小学生の時にハルくんと見ようと約束した流星群を思い出した。
その時は一緒に見られなかったけど、あの日の夜のことは今でも覚えてる。
ハルくんのお父さんが亡くなった日。
"死"って呆気ないと思った日だ。
シャーペンを買って病室に戻る前に、主治医の先生の所に行こうと思って向かった。
何でこの時、先生のところに行ったんだろうと思う。
何かが俺を引き寄せていた。
トントンと扉をノックするが返事がなく、勝手に扉を開けて中を覗いた。
「せんせぇー」
いないのか?
休憩中だったのかと思い、部屋を出ようとした時、奥の部屋から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「太陽くん、どうします?以前に親御さんには黙っとくように言われましたが…」
「うーん…。もう太陽くんも高校生だからね。ちゃんと伝えた方がいいとは思うんだけどね」
看護師さんと先生が何か話してるみたいだった。
太陽くんって、俺のことだよな?
息を潜め会話を盗み聞く。
「太陽くんもちゃんと受け入れてくれると思うんだけど」
「でも酷ですよね…。後、一年だなんて。今まで頑張ってきたのに」
「とりあえず今日の夜にご両親が来るから、その時に今の状態と太陽くんに話すか相談するしかないね」
辛そうに話す看護師さんの言葉に耳を疑った。