星に願いを



………一年?


「………俺、後一年しかないの?」


思わず声に出して呟いていた。


手術をしても生きられる確率が低いとか色々話しているのをただ静かに聞いていた。


しばらくして俺は先生達に気付かれないように静かに病室の扉を閉めて、ボーッとする頭で自分の病室まで戻った。




「なんだ…。俺の命は後一年しかないのか」


そう思った瞬間、すごく腹が立った。


ふざけんな。


何が後一年だよ。


今までの手術はなんだったんだよ。


学校行事とか運動とか友達作りとか色々諦めてきたのに、ふざけんなよ!!




……………違う。


ふざけてんのは俺だ。


死ぬって、大人になれないってずっと分かってた。


いつかこんな日が訪れるって。



それなのに事実を突きつけられると動揺するとかバカだ。


分かってたから色々なことを諦めてきたんだろうが。



あー…死ぬって恐いんだな。




「ははっ…情けねぇ…」


涙が止まらなかった。



< 84 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop