星に願いを
初めての我が儘
「アキ…、こっち戻って来ないか?」
「えっ?」
砂浜に寝転びまだ乱れる息を整えながら、星が流れる夜空を空良は見つめていた。
「俺の家に来たらいい。何かあっても心配ない」
「…でもっ」
「さっき言っただろ。死にたくないって思わせてやるって」
体を起こし俺を真剣な眼差しで睨み付ける。
「確かに俺が出来ることは何もないかもしれない。でもアキが今まで諦めてきたことを助けることは出来ると思う」
「なんでそこまで、お前が…っ」
「まだ分かんねぇのかよ!お前にいなくなってもらいたくないんだよ!言っとくけどな、俺だって友達はお前しかいねぇんだよ!」
耳を赤くさせ空良は俯いた。
「………悪ぃ。お前がそこまで俺のこと好きとは知らなかった」
「なっ!?ふざけんな」
空良は更に顔を赤くさせ怒ったが、お互いに笑いが込み上げ再び砂浜に寝転び夜空を見上げた。
「…空良。俺、行くよ」
「あぁ。待ってる」