星に願いを
しばらくして病院まで戻ると、病室付近で騒ぎが起こっていた。
「何があったんだ?」
疑問に思い空良をチラッと見ると、慌てたように病室に引っ張って行かれた。
「すみません!太陽います!」
「うぇ!?」
なんだ!?と状況が飲み込めないまま病室に入ると、泣き顔の両親がいた。
あっ…、しまった…と思った。
「太陽!!どこ行ってたの!心配させないで!」
「ご、ごめん…」
泣いて抱きついてくる母さんを宥めながら、父さんに視線を向けた瞬間だった。
パシッ―…と右頬に痛みが走った。
「………えっ」
一瞬、何が起きたのか分からなかった。
「いい加減にしないか!何度言ったら分かるんだ!」
怒鳴る父さんを見たのは初めてで、俺も母さんも空良も黙って父さんを見つめるしかなかった。
「したいことはしろと何度も言っただろ!遠慮せずにもっと我が儘になりなさい!」
父さんは分かってるんだ…。
俺が死のうとしたこと…。
俺が何もかも知ってること…。