星に願いを
「お父さんも!反対よね?転校なんて…っ、だって、離れたら…」
「もう時間がないから?」
その言葉に両親は驚いた表情をした。
「俺の命が後一年だから?」
「太陽、お前…」
「父さん。俺、父さんの言う通り、今まで何でも諦めてきた。でも、空良が言うんだ。死にたくない、生きたいって思わせてやるって」
力なく笑い父さんと母さんを見つめる。
「空良とだったら最後くらい楽しく過ごせるかなって思ったんだ」
だから、父さん。
「お願いします」
俺の初めての我が儘を許して下さい。
「…空良くん。太陽をお願いしてもいいかな…?」
「………えっ?あ、はい!任せてください!」
空良と目を合わせ、思わず笑いが込み上げてきた。
「父さん、ありがとう!」
そう言うと父さんは嬉しそうに微笑んだ。