星に願いを
『太陽は自分の未来をちゃんと知ってる。
あいつは強がりで何でも諦めてきたけど、本当は誰よりも我慢してきた。
太陽の傍にずっといてやって』
「…って書いてあった」
「それでどうして…」
その手紙の内容で俺の居場所が分かるのか?と疑問に思っていると、空良はまたクスッと笑った。
「観察してたからね。太陽が何に興味あるか、何を見ていたか」
お前の異変に気付くようにと空良は言った。
そんなに海を見つめていたのかと、無意識ながらも恥ずかしくなった。
「…アキ、手紙読んだか?」
「まだ、読んでない…」
ハルくんからの手紙をまだ読めていなかった。
読む勇気がなかった。
「そっか…。お前、ハルくんがいなくなってから、ちょっと不安定だろ…?」
「えっ?」
一瞬、ドキッとした。
何で空良は分かるんだろうか。
たまにしか会わない空良に、何で俺の気持ちが分かるんだろうか…。
「手紙、何て書いてあるんだろうな」
そう言って優しく微笑むと空良は帰っていった。