星に願いを



夕焼けが部屋に射し込み、オレンジ色に染まっていた。


勉強机の引き出しにしまっていたハルくんからの手紙を取りだし、再びベッドに腰掛けた。



今なら、読めるかもしれないと思った。


何て書いてあるんだろうかと、ドキドキ鳴る心臓を落ち着かせるように、深呼吸をし封を開ける。



「…っ、やば」


思ってる以上に緊張して、手が震えて上手く封を開けられなかった。


封筒から手紙を取りだし、再び深呼吸をして手紙に視線を落とす。



「…はっ、…なんだよ。たったこれだけ…?」


ぶあっと溢れる涙が手紙を、ハルくんの字を滲ませていく。



「…ハルくんっ、…ごめん、俺…ごめん」


笑ったハルくんの顔が頭に浮かんだ。



ハルくん。


ごめん。


死のうとして、ごめん。



手紙にはたった一言書かれていた。



『生きろ』



ハルくんが死んで、初めて泣いた。



すごく夕焼けがキレイな日だった。



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