星に願いを



「明日から学校通うって大丈夫なの?荷物もまだ送ってないのに。そんなに急がなくても」


「大丈夫だって。急に行って空良をびっくりさせたいんだよ」


病院に診察と挨拶をした帰り、近くの喫茶店で少し休みながら母さんは少し不満そうに言った。



「予定より早くなって母さんには申し訳ないけどさ、少しでも早く学校行きたくて」


ごめん…と謝ると母さんは軽く溜め息を吐いた。



「太陽が望むことをさせたいけど、お母さんは太陽が心配なの。それは分かってね?」


「…うん。無茶はしないよ。約束する」


ニコッと微笑み喫茶店を後にした。



蝉はまだ煩く鳴いていて、まだまだ暑さが増す一方な気がした。



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