ー同級生ーガキなアイツに恋してる
―小学校低学年―…恋がまだ、わからなかった頃。

ちび

「おはよーございますっ!」

と朝っぱらからご近所じゅうに響き渡るような大声で
手近な人に挨拶していく私。

地区の同年代の子達とバタバタしながら通学するのが大好きだった。

「おはよーっ!!
遅れてゴメンね…」

と大声を出しながら走ったせいで
息切れの激しい私が集合場所に着くと
もうほとんどのメンバーが揃っており
出発の準備も済ませていた。

しばらくして五年生位の男の子が
あくびしながらぶらぶらとやって来たのを皮切りに
私達の朝は始まる。




"勿論"今日も私達の班は遅刻していた。
私のような年頃の子がただのんびりと学校に向かって歩くことを好きになるわけがない。


簡単に言えば私達の班は寝坊助やめんどくさがりやの巣窟だったのだ。

毎朝毎朝時間との戦いで、
学校までの道をちょっとした川を飛び越えることでショートカットしたり
畦道だろうと気にせずに全力疾走することが
給食の次に来るくらいの楽しみだった。

"冒険"みたいでワクワクするし、
なによりしっかり目が覚める。

いつからか遅刻ギリギリのこの生活が当たり前になっていて
遅刻しそうだと言うのに私達全員が何やら満ち足りた顔をして
校門を潜ってくるのだからきっと先生方には迷惑と心配をかけただろう。

さて、今日こそはあのクソヤローに
話しかけられませんように…

「お、ちびが来たぞ」

…って

「うげっ
でたあ……」


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