少女の2度目
バスを降りてすぐ、十字路の暗闇に
4本の歩行者用信号機が立っている。
今日の私はついてるらしく、
信号待ちせずに向かいの歩道へ
渡ることができた。

「こんばんは。」

新しくこの交番に
異動してきたのだろうか。

『こんばんは。ご苦労様です。』

私が一言添えて返したあと
見たことのない顔の警官は軽く敬礼をし
交番の前であの十字路を監視していた。
車のヘッドライト、和菓子屋の店内の
光と信号の光を頼りに。

< 4 / 9 >

この作品をシェア

pagetop