京都タワーで恋をして。


それからは私も彼も、

ずっと黙ってうどんを啜った。

でも、不思議とそれが自然やった。

いや、ただ単に話題がなかったんやけど...。

でも、全然息苦しくも、気まずくもなかった。

あれ、「でも」が多いな(笑)

とりあえず、二人で食堂のおばちゃんに「ごちそうさま」を言って

京都タワーを出た。

これからは、彼と関わることもないやろう。

仮にもこんなイケメンとうどんを啜るっていう、

貴重な経験ができたわけで。

明日、沙耶子ちゃんに話すネタもできたわけで。

私に言う彼の「ありがとうな。」を、

そっくりそのまま返しそうになった。

< 21 / 34 >

この作品をシェア

pagetop