正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥　特別番外編】
小悪魔小鳥の逆襲
彼女を手に入れてから入籍までは早かった。

俺が一日でも早くそうしたかったのだ。


彼女を妻という立場にしていれば、互いに万が一のことがあってもすぐに駆けつけることができる。
もう二度とあのような悲劇はご免だ。
･･･なんて理由をつけてはいるが、実際のところ早く彼女を自分だけのものにしたかった、その一言に尽きる。


美羽は日に日に美しさを増している。

失っていた自信を取り戻すのに比例して、心も体もぐんぐん磨きがかかっている。
もともと控えめで清楚だった彼女には隠れファンは少なくない。

『結婚してからもあの装いは変えなくてもいいですか･･･？』

婚姻届を出したその足で彼女がすぐに聞いてきたことだ。
あの装いとは例の偽りのお堅いスタイルのことだろう。

俺は二つ返事でＯＫした。
実際かなりほっとしたのが正直なところだ。
もし彼女が本来の姿で仕事していたらどうなる？
ただでさえその魅力が増しているというのに、これまでとのギャップで男が放っておかないに決まってる。

俺と結婚したことを知っている連中は大丈夫だ。
だが業務上は旧姓のままだからそれに気付かずアプローチしてくる輩がいるに違いない。
美羽は素直で純粋な性格だから、それを目の当たりにすればますます彼女の魅力にとりつかれることだろう。

････この俺がどっぷりはまってしまったように。


彼女の本来の魅力は俺だけが知っていればいい。
邪な感情を抱いている奴には少しも見せたくない。


そんな度量の狭い黒い感情でいっぱいだなんてこと、美羽は知る由もないんだろう。

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