正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥 特別番外編】
「・・・・へぇ・・」
聞こえるか聞こえないかの小さな声でそう言うと、女は立ち上がってニコッと笑った。
「久しぶりに会ったら女の趣味が変わったみたいね。・・・でも刺激が欲しくなったらいつでも相手するから呼んでね?じゃあまたね」
捨て台詞を吐きながら美羽に向かって不敵な笑みを浮かべると、女はそのまま出ていった。
とてつもない後味の悪さだけが残った。
またしても俺のせいで彼女に不必要に嫌な思いをさせてしまった。
いかにも互いの連絡先を知っているかのような口ぶりだったが、当時から連絡先を聞いたことすらない。当然ながら俺のも知るはずがない。あの女は腹いせにただ美羽を傷つけたかっただけだ。
「美羽、すまない・・・・また俺のせいで」
俺はただただ謝ることしかできない。どんなに心を入れ替えて今は美羽のことしか見ていないとはいえ、過去の自分のやってきたことが消えることは一生ない。
「いえ、気にしてません。私は大丈夫ですよ」
美羽は気にした様子もなくいつもの笑顔を見せると、持っていたグラスに少しだけ口をつけた。俺はそれ以上何も言えなかった。
・・・・本当に?
本当に気にならないのか?
俺の過去の過ちで何の関係もない自分が傷つけられて平気なわけないじゃないか。
それに、過去とはいえ俺と関係があった女が気にならないわけがないじゃないか。
どうして・・・どうして彼女はもっと不満をぶつけてくれないのだろうか。
いっそのこと泣いて、怒ってなじってくれたらどんなにいいだろうか。
元はと言えば全て自分が悪いのに、俺は美羽の出来すぎた態度に寂しさを感じずにいられなかった。
聞こえるか聞こえないかの小さな声でそう言うと、女は立ち上がってニコッと笑った。
「久しぶりに会ったら女の趣味が変わったみたいね。・・・でも刺激が欲しくなったらいつでも相手するから呼んでね?じゃあまたね」
捨て台詞を吐きながら美羽に向かって不敵な笑みを浮かべると、女はそのまま出ていった。
とてつもない後味の悪さだけが残った。
またしても俺のせいで彼女に不必要に嫌な思いをさせてしまった。
いかにも互いの連絡先を知っているかのような口ぶりだったが、当時から連絡先を聞いたことすらない。当然ながら俺のも知るはずがない。あの女は腹いせにただ美羽を傷つけたかっただけだ。
「美羽、すまない・・・・また俺のせいで」
俺はただただ謝ることしかできない。どんなに心を入れ替えて今は美羽のことしか見ていないとはいえ、過去の自分のやってきたことが消えることは一生ない。
「いえ、気にしてません。私は大丈夫ですよ」
美羽は気にした様子もなくいつもの笑顔を見せると、持っていたグラスに少しだけ口をつけた。俺はそれ以上何も言えなかった。
・・・・本当に?
本当に気にならないのか?
俺の過去の過ちで何の関係もない自分が傷つけられて平気なわけないじゃないか。
それに、過去とはいえ俺と関係があった女が気にならないわけがないじゃないか。
どうして・・・どうして彼女はもっと不満をぶつけてくれないのだろうか。
いっそのこと泣いて、怒ってなじってくれたらどんなにいいだろうか。
元はと言えば全て自分が悪いのに、俺は美羽の出来すぎた態度に寂しさを感じずにいられなかった。