正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥 特別番外編】
「ほら、大丈夫か?」
「ん・・・はい・・・・」
美羽は返事をするとそのままクニャッとベッドに横たわってしまった。
あれから結局美羽は3分の1近くを飲んだのだが、次第にうとうとし始め、やがてしなだれかかるようにして俺に身を委ねてきた。何度か名前を呼んだが聞こえているのかいないのか、生返事を繰り返すだけだった。
彼女の体を支えながら部屋まで連れてくると、そのままベッドへと寝かせて今に至る。
「気分悪くないか?水飲むか?」
「大丈夫です・・・・」
うつぶせにした体を顔だけ横に向けて、美羽は心配そうに覗き込む俺の顔をじっと見ている。
「・・・・・・潤さん・・・」
「ん?」
「隣に来てくれませんか・・・?」
「え?」
そう言う美羽の頬はお酒のせいか赤く火照って目は潤んでいる。
・・・・その上目遣いは反則だ。
酔っている彼女に手を出すことは躊躇われる。だがめったにおねだりなんかしない彼女からそう言われては聞かないわけにもいかないだろう。俺は邪な気持ちを頭から追い出し美羽の隣へと体を滑り込ませた。
「・・・あったかい・・・」
美羽はすぐに俺の体に手を回すと、ギューッとしがみつくように体を密着させてきた。こんな風に自分から積極的に触れてくることは珍しいので俺は少々動揺する。
「美羽?」
視線を下げると胸元に顔をうずめて気持ちよさそうに微睡んでいる姿が見えた。
「フッ、やっぱりお前は小悪魔だな」
その凶悪なほど可愛らしい姿を見せつけているのに、どうしてか手を出すことを躊躇わせてしまうお前はやっぱり凄い。俺は一生お前に敵いそうにない。
彼女の背中に手を回しながら一人で笑いが零れた。