正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥 特別番外編】
「美羽、本当にすまない・・・・俺がバカだったばかりにお前に嫌な思いをさせてしまって・・・本当に悪いと思ってる。・・・・許してくれ・・・。俺を嫌いにならないでくれ・・・」

我ながら情けないほど弱々しい言葉しか出てこない。
それでも、たとえ全ては自分が悪いのだとわかっていても、彼女に嫌われることだけは耐えられない。情けないと笑われようとも、酷く罵られようとも、俺は彼女なしではもう生きていくことなどできないのだから。

美羽は泣きながら俺の背中にしがみついてきた。俺はその震える小さい体を閉じ込めるように抱きしめた。強く、強く。ピッタリとあつらえたように寸分の隙間なく寄り添う互いの肌が心地いい。こうしていたいと思うのは後にも先にもお前だけ。どうかそれをわかって欲しい・・・


しばらくそうしているとやがて美羽が落ち着いてきた。
俺は美羽の手を取ると自分の左胸へと触らせた。ドクンドクンと脈打つ振動が手を伝っていく。

「美羽、わかるか?俺の心臓が凄い音で動いてるのが。俺はお前とただこうしてるだけでいつもこうなるんだ。何もしなくったって、お前が目の前にいるというだけで情けないくらいにいつも落ち着かない。こんなことはお前だけなんだ」

「潤さん・・・」

真っ赤に泣きはらした目で俺を見上げるお前の姿。
俺はそれだけでもどうにかなりそうなほど、お前に溺れきってるんだ。
ゆっくりと伸びてきた手が俺の頬に触れる。その温かさに俺は自分から頬を寄せた。

美羽は俺の瞳から視線を逸らすことなく少しずつその距離を縮めてくる。俺はゆっくりと目を閉じるとやがて唇に温かいものが触れた。その瞬間美羽の背中に腕を回し、強く掻き抱いた。
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