正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥 特別番外編】
唇が触れているだけで全てが満たされていく。そんな不思議な高揚感が全身を包んでいた。

ドサッ

「・・・ん?」

気が付けばまた先程のようにベッドに横たえられ美羽が馬乗りになっていた。

「美羽?」

「わ、わた、私も、潤さんを・・・・愛したいです・・・」

言いながら美羽の顔は燃え上がらんほど真っ赤に染まっていく。お酒のせいだけじゃない。そして手を伸ばすと、途中まで外れていた俺のシャツのボタンを再び外し始めた。

「美羽、そんなことはしなくていいんだ。無理する必要なんてない。俺は充分満たされてるんだから」

「む、無理なんてっ、してませんっ!」

思いっきりどもりながらも手の動きは止まらない。どうしたものかと呆気にとられているうちに全てのボタンが外されてしまった。美羽ははだけたところから見える俺の肌を見てますます顔を染め上げていく。自分で押し倒して外しておきながらその反応はなんなんだと笑いが止まらない。俺は起き上がって美羽を止めようと首を動かした。

瞬間、ビクッと体が跳ねる。

「美羽っ?!」

目の前の光景が信じられない。
美羽がシャツを開いて露わになった俺の肌に触れ、こともあろうか顔をうずめているではないか!
これは夢か?また夢なのか?一体俺はどれだけ欲求不満なんだ?

そんなことで頭がパンクを起こしそうになっていたところで美羽の唇が徐々に胸に近付いてくる。
硬直するとはこういうことなのだろうか。俺は美羽の行動を現実のものとして捉えることができずに、身動き一つせずただなされるがままになってしまっていた。

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