正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥　特別番外編】
あれから五日。
美羽はいつもと何も変わりはない。


＿＿＿＿＿＿表面上は。



そう。この頃彼女はどこかそわそわと落ち着かない。
他の連中が見たところで誰一人信じるものはいないだろう。実際仕事は完璧だし、相変わらず冷静沈着に何事もこなしているのだから。

だがしかし、公私ともに一緒に過ごしている俺にはわかる。
彼女が何か最近よく考え事をしていることを。
俺が不思議に思っているなんて彼女は気付いてもいないのだろう。それくらいボーッと物思いにふけっていることが多い。
もしかしてこれが俗に言うマタニティブルーというものだろうか？その可能性も考えてみた。
だが、子どもの話になるとぱぁっと一気に花を咲かせたような満面の笑顔になり、心底幸せだというオーラに包まれる。とてもじゃないが妊娠していることに何か悩みがあるような気配は感じられない。むしろ幸せで仕方がないという気持ちがダダ漏れしている、そんな状態だ。



だったら何故？
彼女は最近何を考え込んでいるというのだろうか。

こんなことはこれまで一度もなく、その原因も皆目検討つかない俺の心中は穏やかではなかった。

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