正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥 特別番外編】
・・・・なんなんだ?これは一体。
いつの間にこの二人の距離感はこんなに近くなったって言うんだ?
まさか二人の間に・・・・・・・・なんて馬鹿げたことは思わない。
天地がひっくり返ろうとも美羽がそんなことをするわけがない。
そこには絶対的な確信がある。

じゃあ一体なんなんだ?
彼女が最近どこかおかしいのは間違いのないことだ。
一体何を悩んでいるっていうんだ?
何かしらそれに成田も関わってるということなのだろうか?


・・・・イライラする。


得体の知れない何かが彼女を悩ませていることも、
俺にはそれを言えないでいることも、
そして成田とはいえ男がそれに関わっているかもしれないことも。

これまで全くあり得なかった事態に俺の中での不安と不満が募っていた。


「あ、あの、すみません!本当に何でもないんです。それで修正が必要な書類はどれですか?」

美羽は俺が険しい顔をしていることに焦ったのか、必死でその場を取り繕うとしていた。

・・・・公私混同することは許されない。
それに俺は彼女を信じている。
必要になれば必ず彼女は俺にそのことを打ち明けてくれるに違いない。

俺はゆっくり息を吐き出すと、心を落ち着かせていつもの仕事モードへと戻った。

「これなんだが・・・」


それからは美羽もすぐにいつも通りになり、それ以降はどこもおかしいところもなく仕事に取り組んでいた。成田も全くおかしいところは見当たらず、何かしらの作業をやっていただけなのかもしれないとそう思うことにした。
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