正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥 特別番外編】
「・・・潤さん?やっぱり急で無理ですか・・?」

美羽の言葉にハッと我に返る。

「いや、構わないよ。というか俺は以前からもっと取るように言ってただろ?何も気にせずゆっくり休め。ただし何かあったときは必ず連絡すること。いいな?」

「・・・はい!ありがとうございます」

美羽はホッとしたように笑うと、お腹を愛しそうに撫でてはその日が楽しみだと呟いていた。

・・・色々と気になるところではあるが。
何にせよ彼女には少し休んで欲しいと思っていたのも事実なわけで、よもや彼女に限って俺がいない間に危険なことをすることもないだろうと自分を納得させた。




だがそれだけでは終わらなかった。



美羽が休む日を控えた翌日、俺は仕事で外出していた。美羽は内勤だ。
予定よりも時間がかかってしまい、会社で待っている美羽のことを考え俺は急いで戻っていた。
エレベーターから降り、美羽の待つ部屋へと足早に歩く。ようやく目的の場所まで辿り着きドアノブに手をかけたところで中から聞こえる声に思わず動きを止めた。

「そんなに緊張しなくても大丈夫だって!」

「・・・はい・・・」

・・・・これは美羽と成田の声か?
またあの二人で何かこそこそやっているのだろうか。

「でもやっぱり初めてのことなのでドキドキしてしまいます・・・」

「ははは、やっぱり可愛いなぁ~。そんなこと言われたらもうたまらないでしょ」



・・・・一体何の話をしているのだろうか。
やはり二人の距離感が前とは全く違っている。
何故?いつから?何のために?
明日休むことと何か関係があるのか?
俺の頭の中で色んなことがグルグルと回っている。

その後も二人は何か喋っていたが、ぼそぼそと声が漏れてくるだけで何を話しているかまではわからなかった。
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