正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥 特別番外編】
それから俺たちは初めての旅行をゆっくりと楽しんだ。
今が見頃のコスモス畑、オルゴール館、美術館、
体に負担にならない程度にゆったりとしたペースで色んな場所を見て回った。
地元の神社に安産のお参りにも行った。
美羽は生まれて初めてだというおみくじを引き、見事大吉を当ててそれはそれは大喜びをしていた。あんなにはしゃぐ姿を見たのは初めてじゃないかと思うほどで、思わず俺まで大笑いした。
無事に赤ちゃんが生まれるまではお守りにするんだと、そのおみくじを大切に財布にしまっていたが、その一方で安産のお守りもきっちり買うことも忘れないところにもまた笑えた。
美羽にとってはほとんどのことが初体験なのだ。
行く先々でキラキラと瞳を輝かせて夢中になっていた。
無意識なのか、彼女は嬉しそうにすると必ずと言っていいほどお腹に手をあてる。子どもが動いているからなのか、それとも彼女が子どもに何かを伝えようとしているのか。
家族を知らずに育った彼女にとって、一つ一つの瞬間がかけがえのないものなのだろう。
・・・もちろん俺にとっても同じだ。
彼女に出会っていなければ俺自身もこんな幸せを知らないままだった。
慈愛に満ちた彼女の表情を見ているだけで、俺たちは幸せな家族を築けるとはっきり言い切ることができる。
「潤さん?どうかしましたか?」
「あ?あぁ、何でもないよ」
「ふふ、潤さんがぼーっとするなんて珍しいですね。・・・でも、この景色を見ているとそうなってしまうのもわかります」
そう言って美羽が見つめた先には雄大な富士山が湖にその姿を写し、見事な逆さ富士が広がっている。
彼女とこうしていられることが幸せだな・・・そんな気持ちが沸き上がっていた。
今が見頃のコスモス畑、オルゴール館、美術館、
体に負担にならない程度にゆったりとしたペースで色んな場所を見て回った。
地元の神社に安産のお参りにも行った。
美羽は生まれて初めてだというおみくじを引き、見事大吉を当ててそれはそれは大喜びをしていた。あんなにはしゃぐ姿を見たのは初めてじゃないかと思うほどで、思わず俺まで大笑いした。
無事に赤ちゃんが生まれるまではお守りにするんだと、そのおみくじを大切に財布にしまっていたが、その一方で安産のお守りもきっちり買うことも忘れないところにもまた笑えた。
美羽にとってはほとんどのことが初体験なのだ。
行く先々でキラキラと瞳を輝かせて夢中になっていた。
無意識なのか、彼女は嬉しそうにすると必ずと言っていいほどお腹に手をあてる。子どもが動いているからなのか、それとも彼女が子どもに何かを伝えようとしているのか。
家族を知らずに育った彼女にとって、一つ一つの瞬間がかけがえのないものなのだろう。
・・・もちろん俺にとっても同じだ。
彼女に出会っていなければ俺自身もこんな幸せを知らないままだった。
慈愛に満ちた彼女の表情を見ているだけで、俺たちは幸せな家族を築けるとはっきり言い切ることができる。
「潤さん?どうかしましたか?」
「あ?あぁ、何でもないよ」
「ふふ、潤さんがぼーっとするなんて珍しいですね。・・・でも、この景色を見ているとそうなってしまうのもわかります」
そう言って美羽が見つめた先には雄大な富士山が湖にその姿を写し、見事な逆さ富士が広がっている。
彼女とこうしていられることが幸せだな・・・そんな気持ちが沸き上がっていた。