正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥 特別番外編】
「それって美羽ちゃんですか?」
「・・・・あぁ。『専務ともあろうお方がこの程度のことでお仕事休むなんて言わないでくださいね?』って今朝釘を刺されたよ」
はぁ~っと溜息を一つ零した俺を見ていた御堂の肩がぷるぷると震え始めたかと思えば、やがて我慢も限界にきたのかプッと吹き出した。
俺が横目で睨んでも笑いは止まらない。
「あははっ!いかにも美羽ちゃんらしいですね~!いざという時は女の方が肝が据わってるっていうけど、彼女はまさにその典型ですね」
「・・・本当に。彼女の冷静さには恐れ入るよ」
「あははっ」
昨夜、美羽の身体に異変が起こった。
陣痛らしき痛みが不規則に始まったのだ。
予定日を3日後に控えていたのでいつその日が来てもおかしくないと覚悟していたのだが、いざその時が来ると俺はどうしていいのか落ち着かなかった。
夜通し不規則な波で襲ってくる痛みに耐えている美羽の姿を見ているだけで既に辛い。
結局朝になっても感覚は不規則なままだった。
俺は仕事を休んで傍にいると言ったのだが、彼女が放ったのは先の台詞。
『一定間隔にならなければ入院だってできませんし、きっと私はまだもう少し時間がかかりますよ。だから潤さんはいつも通りお仕事に行ってください。入院するときが来たら連絡しますから。ね?」
・・・・全く。
彼女は本当に初産なのかと疑いたくなるほど落ち着き払っていた。
俺はこの有様だというのに。
・・・・我ながら情けない。
「・・・・あぁ。『専務ともあろうお方がこの程度のことでお仕事休むなんて言わないでくださいね?』って今朝釘を刺されたよ」
はぁ~っと溜息を一つ零した俺を見ていた御堂の肩がぷるぷると震え始めたかと思えば、やがて我慢も限界にきたのかプッと吹き出した。
俺が横目で睨んでも笑いは止まらない。
「あははっ!いかにも美羽ちゃんらしいですね~!いざという時は女の方が肝が据わってるっていうけど、彼女はまさにその典型ですね」
「・・・本当に。彼女の冷静さには恐れ入るよ」
「あははっ」
昨夜、美羽の身体に異変が起こった。
陣痛らしき痛みが不規則に始まったのだ。
予定日を3日後に控えていたのでいつその日が来てもおかしくないと覚悟していたのだが、いざその時が来ると俺はどうしていいのか落ち着かなかった。
夜通し不規則な波で襲ってくる痛みに耐えている美羽の姿を見ているだけで既に辛い。
結局朝になっても感覚は不規則なままだった。
俺は仕事を休んで傍にいると言ったのだが、彼女が放ったのは先の台詞。
『一定間隔にならなければ入院だってできませんし、きっと私はまだもう少し時間がかかりますよ。だから潤さんはいつも通りお仕事に行ってください。入院するときが来たら連絡しますから。ね?」
・・・・全く。
彼女は本当に初産なのかと疑いたくなるほど落ち着き払っていた。
俺はこの有様だというのに。
・・・・我ながら情けない。