正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥 特別番外編】
ガタガタガタ、バンッ!!
ノックもなしに突然部屋に入ってきた俺の姿にその場にいた全員が驚きの目でこちらを凝視する。
もう夕方に近いからかよりにもよって全員揃っている。
だが今はそんなことに構っている暇はない!
「せ、専務、どうされたんですか・・・?」
佐倉さんが驚いた顔で立ち上がる。
「はぁはぁ・・・悪いが今日はこれで切り上げさせてもらってもいいか?」
「えっ、専務、それじゃあ・・・?」
真っ先に反応したのは御堂だった。
俺は彼女の方を向くとゆっくり頷いた。
「あぁ。入院するとの連絡があったんだ。彼女はいつも通り帰ってくればいいと言ったがどうしても行ってやりたいんだ」
「おぉ、いよいよなんですね!美羽ちゃんも専務がいた方が嬉しいに決まってます。早く行ってあげてください」
次に口を開いたのは成田だ。
「まぁまぁ、すぐに生まれるわけじゃないんですよ。・・・でも旦那さんがいてくれた方が心強いのは間違いありませんね。今日の業務はほとんど終わってますし、専務、どうぞお帰りになってください。彼女をよろしくお願いしますね」
子持ちの佐倉さんの言葉はこの上なく心強く感じる。
「・・・悪いが後を頼む。感謝する」
「来週素敵な知らせを待ってますからね!」
「・・・あぁ!」
成田の言葉に笑顔でそう答えると、俺は急いでその場を後にした。
後ろから頑張れ~とかなんだかんだ言っているような声が聞こえたが、俺の意識はもう病院へと飛んでいた。