正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥 特別番外編】
俺は一度マンションに戻って着替えを済ませると、そのまま泊まり込みができる準備をして病院へと向かった。
診察に付き添って来たことはあったが、入院施設の方に入るのはこれが初めてだ。
院内には大きなお腹を抱えた妊婦や新生児を抱いた母親らしき人物があちらこちらにいた。美羽もいよいよそうなるかと思うと自然と気持ちが高ぶってくる。
「すみません、さきほど入院した藤枝は・・・・」
「潤さん?!」
ナースステーションで部屋を聞いていた俺の背後から聞こえた声に振り向くと、そこには既にパジャマに着替えた美羽がいた。
「美羽、お前動き回って大丈夫なのか?」
慌てて駆け寄った俺にきょとんとしたかと思えば、美羽はすぐに破顔した。
「もちろん大丈夫ですよ。私は病人じゃないんですから。むしろもっと動いてお産を進めないと駄目なんですよ。だからこうしてお散歩してるんです。それより潤さんこそどうしたんですか?明らかに帰ってくるのが早いですよね。・・・・もしかして・・・」
呆れたような顔をする彼女に途端にバツが悪くなった俺は、ポリポリと頭を掻いた。
「・・・・悪い。もうほとんど今日の業務は終わってたんだ。秘書課の面々も早く行けって言ってくれたし、・・・我慢できなかった」
だんだん声が小さくなっていく俺の言葉を聞いてしばらく黙っていたが、やがてふぅ~と一つ息を吐いた。
「もう、しょうがないお父さんですね。・・・でも、本当は潤さんが来てくれて嬉しいです。ほんの少しだけ心細かったので。ありがとうございます」
そう言って柔らかく微笑む姿に俺は思わず抱きしめようと手を伸ばしそうになるが、今いる場所を思い出し慌てて引っ込めた。
診察に付き添って来たことはあったが、入院施設の方に入るのはこれが初めてだ。
院内には大きなお腹を抱えた妊婦や新生児を抱いた母親らしき人物があちらこちらにいた。美羽もいよいよそうなるかと思うと自然と気持ちが高ぶってくる。
「すみません、さきほど入院した藤枝は・・・・」
「潤さん?!」
ナースステーションで部屋を聞いていた俺の背後から聞こえた声に振り向くと、そこには既にパジャマに着替えた美羽がいた。
「美羽、お前動き回って大丈夫なのか?」
慌てて駆け寄った俺にきょとんとしたかと思えば、美羽はすぐに破顔した。
「もちろん大丈夫ですよ。私は病人じゃないんですから。むしろもっと動いてお産を進めないと駄目なんですよ。だからこうしてお散歩してるんです。それより潤さんこそどうしたんですか?明らかに帰ってくるのが早いですよね。・・・・もしかして・・・」
呆れたような顔をする彼女に途端にバツが悪くなった俺は、ポリポリと頭を掻いた。
「・・・・悪い。もうほとんど今日の業務は終わってたんだ。秘書課の面々も早く行けって言ってくれたし、・・・我慢できなかった」
だんだん声が小さくなっていく俺の言葉を聞いてしばらく黙っていたが、やがてふぅ~と一つ息を吐いた。
「もう、しょうがないお父さんですね。・・・でも、本当は潤さんが来てくれて嬉しいです。ほんの少しだけ心細かったので。ありがとうございます」
そう言って柔らかく微笑む姿に俺は思わず抱きしめようと手を伸ばしそうになるが、今いる場所を思い出し慌てて引っ込めた。