正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥 特別番外編】
「・・・っうぅ~・・・・」
室内に呻き声にも似た声が響き渡る
時間は既に丑三つ時を過ぎようとしていた。
あれから、美羽の陣痛はなかなか思うように進んでいなかった。
5分間隔を切ったと思えば次は10分近くになったりと、その間隔が一定してくれない。
やっと短くなってもうすぐかと期待すれば肩すかしをくらうの繰り返しで、身体的には当然ながら精神的にもかなり疲弊してきているのが目に見えてわかる。
陣痛が始まってから既に丸一日以上が過ぎている。
誰もが通る道なのだろうが、普段忍耐強い彼女のこんなに苦しむ姿を見るのはやはり辛い。早く何とかしてあげたいがどうすることもできない。
「う゛~~~~」
また陣痛の波が来て声をあげてうずくまる美羽の腰を必死で摩る。
体験談の中にこういう時に体に触ると逆にストレスを与えてしまうこともあるというものがあったので心配したが、どうやら彼女の場合はそれにはあたらないらしい。
枕に顔をうずめてひたすら痛みに耐えている。
「・・・・・ふぅ・・・・潤さん、もう休んでください」
痛みの波が引いたのか、額に玉のような汗を滲ませた美羽が顔を上げて言った。
俺はすぐにそれをタオルで拭い取る。