君の一番になりたくて
はじまりの音は淡々と。
「初恋は叶わない」
だとか、
「運命の人は必ず現れる」
だとか、
「世界は広い」
だとか、
「女は星の数ほどいる」
だとか、
「理想が高すぎて相手が見つからない」
だとか、
挙句の果てには
「恋なんてしない方がいい」
だとか。
現代人は恋愛に臆病になりすぎた。
恋を愛して、溺れて。
バカみたいだ、
と自分を嘲笑うくらいなら。
いっそ、恋愛なんてしなければ
楽に生きられるんじゃないか。
「あー・・・、疲れた。」
この物語は、
そんな考えにたどり着いた
俺、榊晴人(サカキハルト)の
一人の少女に恋した物語である。