ビターチョコレイトとクランキーチョコ
こうして、私の代わりに歩美が答えて、数学の授業は終わった。

「本当に散々でした。」

「さくちゃんがちゃんと聞いてないのが悪いんでしょー?」

「いやはや…おっしゃる通りで。」

「もー。」

軽い説教を受けつつ私はポケットから出したチョコボールを食べ始めた。

歩美は「太るよー?」なんて言うけどいいつつ自分も食べてる。なんだかんだ甘いものが好きだ。

「ねぇ、さくちゃん、そういえばさ。この前イケメン転校生来たって話知ってるよね?」

「あーまぁ、嫌でも耳に入ってくるっていうかー。って、イケメンなのにまだ会いに行ってなかったの?」

歩美は、根っからのイケメン好き。
モテるくせに「かっこよくないから」とか「イケメンじゃないから」って理由でふってきた。

「あーうん…。それがクラスまで行ったんだけど、よく居なくなるらしくって。会えなかったんだよね。」

「そりゃまぁ残念だったね。」

ちなみに私はイケメンより三度の飯の方が好き。甘いチョコレートが一番好き。昔っから。

「うん…今から行こうよ!会いに!」

「えぇー…ポケットのお菓子からになったら売店行きたいんだけどなぁ。」

「え?珍しいね。さくちゃんがお菓子切らすなんて。」

自慢じゃないけどポケットにはいつも何かしらのお菓子が入っている。
だって好きだもん☆

「じゃあさ、一緒に見に行ってくれたら板チョコ三枚奢ってあげるよ?」

「行きます。行きたいです。いや、行かせてください。」

「チョコの破壊力すごいなっ!」
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