君の気持ちが知りたくて。



マキは何をするでもなく
ただぼーっと海を見つめてた

いまはファンの子達も
海で遊んでるから
そんなに騒がれてはない


「ねぇマキ?泳がないの?」

「ん?ぁあ んー。」

「せっかくだし行こ?
栞奈も愛くんも入ってるよ?」

そう言うとやっとこっちを向いた

と、思ったのにすぐ目をそらされた

「めいりも行ってくれば?」

「てかさ、こうやって
ちゃんと話すの久しぶりだよね。」

「そー言えばそうだな。
てかそんなとこ突っ立ってねぇで
こっち座れば?」

「あ、うん。」


なんか普通に喋れてると思うと
緊張するけど心があったかくなる
昔みたいに戻れたわけじゃないけど
幼なじみとして普通に会話できてる
みたいな感覚になるのかな...?

「あの栞奈ちゃんって子
初対面で兄貴にキレたんだって?」

「そうなの!色々あって
私の為に怒ってくれたんだ〜」

「いい奴じゃん。」

「栞奈はすごくいい子だよ」



ふとマキを見ると優しい笑顔で
微笑んでいた。
いつ以来だろこの笑顔を見たのは
でも奪ってしまったのは
私のせいで、ドキドキするけど
どこかすごく悲しい気持ちになる
抑えきれない思いが
形になって流れだす

「...」

察したのかマキは何も言わずに
自分が着てたパーカーを
私に着せてフードを被せた

そして一言

「海 行くぞ」

それがマキの不器用な優しさ
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