褐色のあなたに水色のキミ
付き合って、2年が経とうとしたころ。


雨が降る、土曜日の夜だった。
『ほな、またね』
友達と飲みに行った帰り道。地下鉄で帰る友達と別れ、ひとり、夜の街を歩いていた。


人混みに紛れて、見覚えのあるスーツ姿の横顔に、すぐ山田さんだと気付いた。隣には、同じくスーツ姿の女性…。


当時、山田さんの勤めていた職場は忙しく、土曜日が仕事になることも多かった。


職場の同僚、やんな?そう思いながらも親しげに話す2人にジェラシーを感じ、あとをつけた。


しばらく歩いてから、あとをつけたことを、後悔した。


2人は、ホテルへと消えていった…。
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