褐色のあなたに水色のキミ
10年ぶり
それやのに、私…。仕事を終えたデスクで、山田さんの名刺を見つめていた。連絡しようと、メアドを指でなぞっていた。


10年経っても、山田さんを忘れてなかったんや、私。恋をするのが怖いんやなくて、山田さんを忘れられへんかっただけや。


10年ぶりに会って、気が付いた。


山田さんは、もう35や。結婚してるやろうし、結婚してなくても、結婚を前提にした彼女くらいいてるやろう。


それなら、友達として、軽い気持ちで食事に行けばいい。


ヨシ…小さく呟くと、私は、山田さんの携帯にメールを送った。



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